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2022年

■沖縄本土復帰50年 沖縄を戦争準備の最前線にするな!(5月5日号)


 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから50年になる。政府と沖縄県が共催し、記念式典がおこなわれる。復帰50年をお祝いムード一色で終わらせるのは、沖縄の現実と歴史から目をそらすことになる。
 日本の0.6%しかない沖縄に米軍専用施設の約7割が置かれたまま、米軍機による爆音の空と基地関連の事故、米兵による事件…それらが今の沖縄の現実だ。米軍施設から泡消火薬剤含有水が流出する事故で、日本で製造・使用が禁止されているPFOS(有機フッ素化合物)が基地周辺の河川などから指針値を大幅に超えて検出されるなど、環境汚染も度々問題になっている。沖縄の人々の命と生活が脅かされる状況は変わらないままだ。


 日本の防衛予算はこの10年、連続して増加。2022年度は前年度比583億円増の5兆4005億円で、過去最大となった。昨年12月の臨時国会で成立した21年度補正予算7738億円と合わせると6兆1744億円で初めて6兆円を超えた。政府は来年、安全保障政策の見直しをおこなう予定だが、大幅増となった今回の予算を基準に、今後さらに防衛費を増額しようとしている。
 さらにその中身が問題である。政府は周辺国の軍事力強化を口実に、日米同盟における日本の役割拡大を強調する。財務省は今回の防衛関係予算のポイントとして「戦車・護衛艦・戦闘機といった従来領域の装備品を取得し、北方を含めた防衛態勢を維持しながら、ミサイル防衛や南西地域の防衛力を強化」することをあげている。
 岸田首相は2月、戦後の首相で初めて、「敵基地攻撃能力」を持つことを検討すると国会で明言。これが政府の本音である。これは従来の「専守防衛」の考え方に抵触し、「戦争放棄」の日本国憲法に違反する。
 また東シナ海の空と海で中国との緊張が高まっているとして、2013年の防衛大綱で、南西地域への自衛隊部隊配置が明記された。2016年には、日本最西端の沖縄県与那国島に陸上自衛隊が配備されたが、返還以降、沖縄県に自衛隊基地が新設されるのは初めてである。19年には宮古島に、石垣島にも今年、配備される予定だ。
 紛争が起これば真っ先に攻撃されるのは軍事基地である。先の大戦で沖縄を捨て石にしたその発想は今も変わっていない。


 沖縄の課題は基地問題だけではない。内閣府「県民経済計算」によると、1人当たりの県民所得は低く、全国最下位の年が大半である。沖縄県の産業構造は第三次産業のウエイトが高く、サービス業や医療・福祉の従事者が多い。さらにCOVID-19が沖縄県の経済状況の悪化に拍車をかけていると想像できる。政府がすべきことは辺野古新基地建設や南西諸島の軍事基地化ではなく、沖縄の民意を尊重し、沖縄への財政支援を強化することである。
 私たちも兵庫の地から、「沖縄に軍事基地の負担を強いるな」「沖縄の生活改善に国の予算を使え」の声をあげ、日米地位協定の見直しを迫っていこう。


■ロシアのウクライナ侵攻に抗議する(4月5日号)


  ロシアは2022年2月24日、ウクライナへ軍事侵攻をおこなった。いかなる理由があろうとも主権国家への軍事侵攻は許されない。戦争は最大の人権侵害だ。私たちはこの暴挙に断固抗議する。
 侵攻後、ロシア軍は市街地への無差別爆撃をおこなっており、病院なども攻撃され、多くの市民が犠牲となっている。戦闘員と民間人を区別しない無差別攻撃は、国際人道法の戦争犯罪にあたり、国際刑事裁判所も捜査を始めたと報道されている。また国連難民高等弁務官事務所は3月20日、ウクライナ国内外の避難民が1000万人(4人に1人)に上ると明らかにした。
 こうした事態を引き起こしているのはロシアの軍事侵攻であり、ロシア軍は即刻ウクライナから撤退すべきである。


  ロシアのプーチン大統領はNATO(北大西洋条約機構)との対立を深め、ウクライナ東部のロシア系住民が迫害されているとして、その保護を理由に侵攻を正当化しているが、根拠不明である。そしてこれは、2014年に始まったこの地域での紛争の停戦合意(ミンスク合意)さえも反故にするものである。戦争ではいかなる問題も解決しないことはこれまでの歴史を振り返ってみても明らかである。


  また、プーチン大統領は核兵器の使用を示唆する発言もしており、国際社会から厳しい批判が集中している。国連の「核兵器禁止条約」が2021年1月に発効し、核兵器廃絶に向けて世界が大きな努力を続けている中でのこうした発言は絶対に許されるものではない。
核兵器禁止条約は現在までに59カ国・地域が批准しているが、日本は批准していない。プーチン大統領の発言を受け、広島の被爆者7団体が3月22日、広島市の平和記念公園で「核使用をやめさせよう」とのメッセージを掲げ、日本政府に核兵器禁止条約の批准を求める署名活動をおこなった。その一方で、安倍元首相は「ウクライナがロシアに侵攻されたのは核を放棄したからだ」と自論を展開し、NATO加盟国が採用している核シェアリングを日本も議論すべきだと、公然と日本への核配備を唱え始めた。核戦争の危機が具体的問題となる中でのこうした言動は絶対に容認できない。
日本政府は、平和憲法を持つ立場、かつてアジア諸国を侵略した責任、そして唯一の被爆国であることからも、核兵器禁止条約を速やかに批准し、核使用に反対するとともに、停戦のための平和外交に積極的な役割を果たすべきである。


  3月8日には、県連も参加する「戦争をさせない1000人委員会・ひょうご」が、JR元町駅前で、ロシアの軍事侵攻に抗議する緊急街宣行動をおこなった。
 引き続き、ロシア軍のウクライナ侵攻に抗議し、ロシア軍の即時撤退を求めるとともに、一日も早くウクライナの平和が実現するために世界の人々と連帯してとりくみを進めていく。


■全国水平社創立100年 部落解放運動の活性化を(3月5日号)

 県連は3月27日、丹波篠山市の四季の森生涯学習センターで第63回県連大会を開催する。昨年末からCOVID-19の新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大が続き、兵庫県の累計感染者数も20万人を越えた。2月18日にまん延防止等重点措置の延長も決まったが、現時点では2年ぶりの対面式での開催を考えている。今後の推移を観察しながら、開催形式については慎重に判断していきたい。
 今年は全国水平社の創立から100年の節目の年である。
 当時の部落の青年達が融和主義を否定し、部落民自身が主体的に自主解放をめざす集団運動を起こした歴史は燦然と輝くが、それは同時にさまざまな弾圧を経験し、尊い犠牲者まで出した苦難の道でもあった。崇高な精神が水平社宣言のなかに凝縮されている。今大会では、その精神をあらためて確認しながら、これまでの部落解放運動の成果と今後の課題を明らかにしていきたい。
「部落差別解消推進法」(以下、推進法)の施行から5年が経過し、昨年は三田市で、推進法施行後県内6つ目となる「人権を尊重し多様性を認め合う共生社会を目指す条例」の制定を勝ち取ることができた。またインターネットモニタリング事業に取り組む自治体も増加し、現在27市8町で導入されるなど着実に成果を上げている。今後も相談窓口の充実や実態調査の実施など、推進法の具体化を県内各市町に求めていかなければならない。
 他方、推進法の限界も明らかになっている。「全国部落調査」復刻版出版事件裁判の地裁判決が不十分な内容になった原因は、部落差別を禁止する法律がなかったためである。
 今後も続く裁判闘争を通じて「差別は法的に禁止されなければならない」という世論を形成し、鳥取ループ・示現舎に代表される「差別の確信犯=差別の商人」を追い詰め、推進法の改正や人権侵害救済法、差別禁止法などの法整備を求めていく。
 また、不当逮捕から59年目を迎えた狭山の闘いについても、半世紀以上も無実を訴え続けている石川一雄さんの不屈の闘いに応え、今年こそ私たちの手で再審の扉をこじあけるために、住民の会や県民共闘会議などと連携し、創意工夫した闘いをすすめていきたい。
 部落解放運動を継承し、次代を担う青年層の組織化も喫緊の課題である。部落解放同盟の基礎組織が支部であることは言うまでもないが、少子高齢化、過疎化、後継者不足という厳しい現状の中、部落外で生活する出身者や関係者をどう組織していくのか、規約や同盟員登録などの見直しを図り、新たな結集軸を真剣に考えなければならない。
 長引くコロナ禍の今だからこそ、同盟員や家族、地域のなかで困っていることを拾い上げ、さまざまな制度の活用を呼び掛けることも必要である。そうした生活相談活動を充実させ「やっぱり解放同盟は頼りになる」との信頼を勝ち取り、組織の強化・発展に繋げていこう!


■感染対策に日米地位協定の壁 抜本改定して命と健康守れ(2月5日号)

 今年もCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)が収まらない。それどころか現在、変異株オミクロンが猛威を振るっている。「まん延防止等重点措置」が1月9日から沖縄県、山口県、広島県に、その後、1月27日までに全国34都道府県に適用された。
 初めに感染が急拡大した沖縄県、山口県に共通するのは在日米軍の海兵隊基地の存在である。広島県は基地がある山口県岩国市に隣接しており、「(岩国市と)関連のある感染例が多い」という。
 沖縄の米軍基地では昨年12月初旬、米本国から渡航前PCR検査を受けずに沖縄に来た部隊から感染が広がった。沖縄県が国立感染症研究所の協力を得て作成したオミクロン株のリンク図からは、キャンプハンセンから嘉手納基地、そして市中感染へと広がったと推測されている。
 1月20日の参院本会議で林芳正外相は、在日米軍施設区域での新型コロナウイルス感染者数は19日現在6350人、このうち在沖縄米軍は4141人だと説明している。
 米側が日本に連絡せずに昨年9月以降、海外からの出国前検査を取りやめていたこともわかっている。
 沖縄は現在(1月27日)も直近1週間の10万人あたり感染者数が全国1位である(2位は大阪府、3位は東京都)。
 全国の在日米軍専用施設の約70%が集中する沖縄では、米軍関係の事件や事故、環境汚染などが後を絶たないが、前述のように、新型コロナウイルス感染症の問題でも、大きな影響を受けている。構造的差別の問題として考えなければならない。
 岸田文雄首相が1月17日におこなった就任後初の施政方針演説では、感染が急拡大した点について、在日米軍の存在に触れざるを得なかった。しかし、新型コロナ対応は日米合同委員会で協議するとしただけで、問題の根本とされる「日米地位協定」の見直しには言及しなかった。
 日米地位協定とは、日米安全保障条約に基づき、在日米軍の法的な取り扱いや地位について定めたもの。米軍が駐留する多くの国でも同様の協定が結ばれているが、それらと比べて主権が最も喪失されている不平等協定と言われている。日本では、国内法は原則不適用、管理権も及ばず、訓練・演習も航空特例法等により規制できない。ドイツ、イタリア、ベルギー、イギリスなどでは国内法は原則適用されるし、韓国でも粘り強い交渉の結果、米軍関係者の容疑者の身柄の引き渡しや捜査などに関し、韓米地位協定が改定されてきた。
 新型コロナ対策においても、日米地位協定により、米軍には検疫法など日本の法律が適用されない。
 今、必要なのは、米軍関係者の感染防止対策や管理体制の徹底、情報提供などを求めるだけでなく、このような状況を作り出している日米地位協定を抜本的に改定することである。日本の住民の命と健康と生活がかかっているのだ。


■2022年展望と課題(1月5日号)

 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症のパンデミック(世界的大流行)が始まって2年。私たちの暮らしに大きな影響をもたらし、さまざまな差別を生み出している。
 第4波、第5波では自宅で治療が受けられないまま多くの人が亡くなった。
医療と福祉が最優先され、差別のない、命と暮らしが守られる社会を実現させなければならない。

鳥取ループ・示現舎との闘いに勝利を
 差別撤廃の観点からは、「差別の商人」鳥取ループ・示現舎との闘いが極めて重要である。
「全国部落調査」復刻版出版事件裁判は昨年9月27日、東京地裁で判決が出された。「「全国部落調査」の公表により結婚や就職で差別を受ける恐れがある」として、復刻版の出版差し止めなどを認めた一方で「差別されない権利」の侵害などは認められなかった。 
 当然、原告団は控訴したが、被告も控訴した。舞台は東京高裁に移る。一審判決で認められなかった私たちの主張を何としてでも高裁に認めさせよう。
 また「部落探訪」については現在も削除されていない。それどころか、第2・第3の模倣犯も現れている。そういった意味でも差別動画を削除させた丹波篠山市の取り組みは画期的であり、全国的に同様のとりくみが望まれる。
狭山再審を勝ち取ろう!
 半世紀以上も無実を訴え続けている石川一雄さんの不屈の闘いに応え、事実調べを実現し、今年こそ、再審実現をかちとるために全力をあげていかなければならない。コロナ禍で集まることが困難な今だからこそ、住民の会や共闘会議などと連携し、創意工夫した闘いをすすめていこう。

差別に対する怒りの結集を
  昨年8月、京都府宇治市にある「ウトロ地区」の空き家が放火されたが、逮捕された容疑者は昨年7月、名古屋市の在日本大韓民国民団の施設に火をつけたなどとして逮捕された人物である。ウトロ地区は日本政府が1940年から推進した「京都飛行場建設」に動員された在日朝鮮人労働者たちの飯場跡に形成され、子孫の在日コリアンらが多く暮らす地区だ。
 ヘイトの確信犯が具体的な蛮行、ヘイトクライムを実行するところまでエスカレートしている。社会のなかに差別を容認し、あるいはマイノリテイへの攻撃に加担する風潮が強まってきているのではないだろうか。差別に対する大衆の怒りを結集させることが必要だ。
運動の継続・拡大を
 兵庫県連の大きな課題として、同盟支部やブロック、地域の活性化がある。
農山村部だけでなく、都市部でも組織を維持することが困難な支部も増えており、組織を統合・合併することで運動を継続する必要も生じている。
 社会が右傾化するなか、部落差別に対して、自ら大衆運動を起こすには支部組織の存続が不可欠である。また運動の継承には青年の組織化も重要である。ITを活用した連絡網の構築などで地域の活性化と組織の拡大をめざそう。
水平社創立100年のいまこそ、荊冠旗のもとに再度固く強く団結し、「よき日」の実現のために闘いをすすめよう。