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2022年

■支部長研修会に結集しよう(12月5日号)

 県連は12月18日、63期支部長研修会を中央労働センターで開催する。支部長研修会は、部落解放運動の現状や闘争の課題について共通認識をもち、県連や各支部の運動の発展をめざすために実施している。
今年は西島藤彦中央執行委員長を講師に迎えて、全国水平社創立100年と部落解放運動の課題について学習を深める。

 課題の一つは、狭山第3次再審闘争の勝利に向けた「東京高裁に事実調べの実施を求める緊急署名」の運動である。第一次集約では目標の10万筆を達成したが、年内で20万筆に到達するには、狭山事件を知らない人々に対しても行動を起こす必要がある。オンライン署名も含め、一層の奮闘が必要である。
 二つめは、「全国部落調査」復刻版出版事件裁判・控訴審のとりくみである。東京地裁判決で出版・掲載の禁止を除外された16県についても、「差別されない権利」を認めさせ、出版・掲載の禁止させる判決を勝ちとることが重要である。
 11月17日に予定されていた控訴審第2回口頭弁論は、来年2月1日に延期となった。控訴審における口頭弁論はおそらくこの回で終わると推測されている。絶対に負けるわけにはいかない裁判。引き続き、鳥取ループ・示現舎への抗議の声を上げ続けよう。三つめは、インターネット上で部落を晒す行為への抗議と削除のとりくみである。動画サイトYouTube上では、部落を撮影して晒す動画が多数みられ、部落の地名や所在地、人名、個人の家や車までもが晒されている。差別扇動を繰り返す鳥取ループ・示現舎の行為を模倣する人物が増加しているのである。結婚や就職での身元調査がいまだにおこなわれている中で、動画で晒された地域に住む人たちは不安や恐怖を覚えている。しかし、法務省や全国の自治体、個人などがYouTubeに削除依頼をしても、「規定がない」ゆえに削除されないままなのである。オンライン署名サイト「チェンジオルグ」では現在、YouTube上で被差別部落を晒す動画の削除を求めた署名がおこなわれている。発信者は部落出身者や支援者でつくるABDARCで、11月25日現在、2万7千人が賛同している。このような動きと連動し、差別情報の削除を実現する法整備を求めていくことが大切である。

 全国的に同盟員が減少し、県内でも存続が難しい支部もある厳しい状況だが、部落差別が依然としてあることもまた、確認しておかなければならない事実である。支部長はさまざまな相談に応じるためにもこの研修会に出席し、部落差別の現状と課題を知ることが必要である。そして日々の相談活動から見える課題を明らかにし、必要な施策を求めることにつなげていかなければならない。支部長研修会で部落問題の現状を再確認し、運動の強化につなげよう。


■いまこそ人権尊重の日本国憲法を堅持しよう(11月5日号)

 11月3日は日本国憲法が公布された日である。
 今年はこの日に、「武力で平和はつくれない つなごう憲法をいかす未来へ 11・3憲法大行動」が衆参両議員会館前で開催され、11月12日から14日には、フォーラム平和・環境・人権の呼びかけのもと、第59回護憲大会が開催される。
 護憲大会で掲げられているのは「憲法を変えることより活かすこと」「憲法理念の実現をめざすこと」だ。
 しかし政府は、憲法を活かすことよりも、変えることをめざしている。岸田首相は所信表明で「発議に向けて積極的な議論を期待する」と発言するなど、「憲法改正」に向けて前向きな姿勢を示している。しかし、憲法99条で憲法順守義務を課されている総理大臣によるそうした発言はこれまでも国会で問題にされている。
 また、2012年に出された自民党改憲草案については本紙でも批判してきたが、基本的人権の永久性を定めた現行憲法の97条が丸ごと削除され、独裁に道を開く緊急事態条項が新設されるなど、非常に問題が多いものである。


 「厳しい声にも、真摯に、謙虚に、丁寧に向き合っていくことをお誓いいたします」
 これは岸田首相の第210回通常国会での所信表明での一節だ。「政治姿勢」の項目での言葉だが、政治家として本当に「真摯」で「謙虚」なのかどうかは疑わしい。
 9月27日の安倍元首相の「国葬」を見るとわかる。岸田首相は、閣議決定だけで、反対・懸念する周囲の声に耳を傾けず強行した。法律の専門家である衆議院の法制局と憲法審査会は、「国葬実施の意思決定過程に国会が関与することが求められている」という見解を示したし、各地の弁護士会の反対声明も出され、地方議会で反対する意見書や決議を可決する動きが広がった。反対署名は40万筆を超え、どの世論調査でも反対が半数を超えた。自民党内からも疑問の声があがったが、最後まで国会論議はおこなわず強行されたのである。


 岸田政権はロシアのウクライナ侵略を口実に、「日本をとりまく状況が緊張している」として、防衛費の増大、装備の高度化をめざしている。「敵基地攻撃能力」も提唱されたが、これは従来堅実に守ってきた「専守防衛」からの逸脱を意味している。憲法9条に規定されている「紛争解決の手段としては武力の行使は永久に放棄する」に違反するものであることは明らかである。
 今、必要なのは、一人ひとりの安心・安全な暮らしを守ることだ。コロナ禍における経済弱者やひとり親家庭への支援など、生きづらい社会の根絶のために力を尽くし予算を投じるべきである。憲法を変えることや軍事力増強が第一で良いはずがない。
 私たちは、憲法を活かすことを考えたい。あらゆる人の、個人として当然の権利が本当に守られているかどうか。憲法で保障されていることを改めて確認したうえで、政府の動きを注視し、声を上げ続けなければならない。憲法を守り、活かすとりくみに奮闘しよう。


■東京高裁は鑑定人尋問をおこなえ(10月5日号)

 事件発生から59年。狭山事件第3次再審闘争は、最大の山場を迎えている。
 狭山事件再審弁護団は8月29日、東京高裁に事実取調請求書と新証拠を提出した。これまでに一度もおこなわれたことのない事実調べを強く求めるものである。


 今回提出した新証拠は、スコップに関する元科捜研技官による補充意見書や、殺害方法・死体処理についての法医学の鑑定書などの9点。検察官が提出した意見書の誤りを明らかにした専門家の意見書も含まれる。さらには、取り調べ録音テープの文字起こしをコンピューターを用いて分析した鑑定書も提出された。第3次再審請求で提出された新証拠は、これで255点となった。
 事実取調請求書では、これまでに鑑定書・意見書を作成した11人の科学者・専門家の証人尋問(鑑定人尋問)と、万年筆インクについての裁判所による鑑定を求めている。提出している鑑定書・意見書は、脅迫状の筆跡・識字能力、指紋、足跡、スコップ、血液型、目撃証言、音声、万年筆、自白、殺害方法、死体処理に関するもので、どれも石川一雄さんの無実を示す重要なものである。東京高裁は、専門家である鑑定人から鑑定内容と結果、その意味を聞き、精査したうえで新証拠を評価し、公正な判断をすべきである。
 48年前の寺尾不当判決(確定判決)が石川さんを「有罪」とした根拠は、多くの新証拠によって崩れている。足利事件、布川事件、東住吉事件などの冤罪事件では、鑑定人尋問や裁判所による鑑定がおこなわれた結果、再審開始・再審無罪を勝ち取っている。事実調べが再審開始へのカギであることは間違いない。その事実調べを、今度こそ実現させなければならない。


 9月1日には東京高裁で第51回三者協議がひらかれた。石川さんは弁護団とともに記者会見をおこない、「鑑定人尋問をおこなってもらえば、わたしの無実は明らかになる。ぜひとも事実調べをおこなってほしい」と述べている。鑑定人尋問の実施を求める世論を大きくすることは非常に重要だ。そのためのとりくみとして、全国で鑑定人尋問実施を求める署名行動を展開している。これと連動して、9月末から10月にかけて、近畿・東海・北陸・中国・四国・九州の各共闘団体や市民・住民の会に対して、事実取調請求提出についての説明と署名行動への協力要請をおこなっている。
 兵庫県連でも9月28日に共闘団体や市民の会を対象に集会を開催し、鑑定人尋問実現に向けた最大限のとりくみを要請したところだ。
 事実調べの実現、そして再審開始にむけ、10月28日には、東京・日比谷野外音楽堂で狭山事件の再審を求める市民集会が開催される。最大の山場を迎えた第3次再審闘争。兵庫から狭山再審の世論を喚起し、鑑定人尋問などの事実調べや裁判所による鑑定実施の実現と再審勝利を勝ちとろう!


■控訴審に完全勝利しよう!(9月5日号)

 8月3日、「全国部落調査」復刻版出版事件裁判控訴審の第1回口頭弁論が東京高裁でひらかれた。
 あらためて、1審の東京地裁判決の問題点を整理しておきたい。
 まず、第1の問題点は、私たちが強く主張してきた「差別されない権利」を裁判所が認めなかったことである。判決では「権利の内実は不明確であって、原告ら主張の権利が侵害されているのか…判然としない」として、その権利性を認めなかったが、「差別されない権利」は憲法14条で法的に保障されている権利であり、日本政府が締結している「人種差別撤廃条約」の規定からも明確に認められなければならないものである。
 2つ目は裁判所が部落差別の実態を理解していないことである。現在の住所地・本籍地が「復刻版 全国部落調査」に記載されている原告のみを救済し、過去の住所地・本籍地が掲載された原告や、親族の住所地・本籍地が掲載された原告の救済が否定されたが、部落差別の属地性や系譜性をまったく理解していないと言わざるをえない。部落差別は「現在、被差別部落とされる地域に住所・本籍地がある」人のみが対象となっているわけではない。現住所や本籍がなくても「住んでいた」「親族が住んでいる」など、部落にルーツを持つ者は部落出身者と「みなされる」のである。
 3つ目には一部都府県を差し止めの対象外としたことである。原告のいない県についてプライバシーの侵害を認めなかったが、「復刻版 全国部落調査」は身元調査等に利用される「被差別部落の一覧表」であり、原告がいようがいまいが、身元調査に利用され、差別されるのは同じである。「社会問題としての部落差別」を理解しようとせず、個人のプライバシー侵害に矮小化した裁判所の判断は完全に誤っている。
 4つ目にはカミングアウト(名乗り)とアウティング(晒し)が根本的に違うことを理解していないことである。「部落解放同盟に所属している
 とが一般に広く知られている者及び自ら積極的に公表している者」は「プライバシーが侵害されたとは認められない」として23人が除外されたが、被告の鳥取ループ・示現舎の行為はセンシティブ情報公表の原則―①当事者が希望している②当事者が同意・承諾している③目的が明確④範囲、媒体が選択できるなど―から逸脱する悪質な権利侵害である。原告が被差別部落の出身であることを明らかにしているのは差別撤廃に向けて闘うためであり、他人が勝手に出自を暴露することは断じて許されないものである。
 控訴審では、これら一審判決の問題点を鋭く指摘しなければならない。
 第1回口頭弁論のあとにおこなわれた報告集会では、閉会あいさつに立った赤井中央本部書記長が「この裁判は原告の闘いであると同時に、部落の一人ひとりの闘いでもある」と語ったが、私たち一人ひとりが自分の闘いとしてこの裁判闘争に関わらなければならない。
 第2回口頭弁論は11月17日に開かれる。完全勝利に向けて全力で闘い抜こう!


■女性集会の成功をめざそう(8月5日号)


 県連女性部は8月6日~7日、城崎国際アートセンターにおいて第27回兵庫県連女性部大会・部落解放第60回兵庫県女性集会を開催する。


 今年は全国水平社創立から100年という大きな節目の年である。全国水平社には全国から多くの女性たちも参加し、婦人水平社に結集した。当時の露骨な部落差別の中で、被差別部落の女性たちは、いのちと生活を守りながら、部落差別を生み出す社会そのものを変革する闘いで重要な役割を担ってきた。戦後の部落解放同盟の闘いにおいても、「女性が変われば、部落が変わる」を合言葉に運動に参加した。生活改善や仕事保障はじめ、いのちと人権と平和の確立に向けた協働の闘いを担う女性の活動は、部落解放運動を前進させる大きな原動力となった。
 しかし、今日においても身元調査事件や結婚差別などで明らかなように、部落に対する差別意識は根強く存在している。


 2月に始まったロシアによるウクライナ侵略は、国際社会からの厳しい批判がある中、収まりを見せていない。とりわけ、子どもや女性など社会的弱者がいとも簡単にその命を奪われ、難民として国外へ避難を余儀なくされている。「戦争は最大の人権侵害である」ことを国内外へ広く訴え、差別と戦争に反対する協働の闘いを断固として進めていかなければならない。


 新型コロナウイルス感染症の拡大の中、差別や貧困、格差の問題も一層深刻化している。新自由主義による経済優先の政策により、増大する非正規労働者の問題も放置されたままである。現代社会への不満や不安が差別排外主義と結びつき、ヘイトスピーチや、インターネット上の差別情報の氾濫など、差別や暴力を公然と煽動する差別排外主義が台頭している。
 このような状況の中、私たちは人権三法(障害者差別禁止法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消推進法)を活用しながら、差別禁止法や国内人権委員会の創設など包括的な人権の法制度の確立を求めていかなければならない。


昨年、県連に「男女平等社会推進本部」を設置したが、まだまだ女性が意思決定にに参画できる土壌は熟成していない。「性別役割分業」の意識が根強くあるということを理解しつつ、男性の意識変革とともに、女性の意識も変革していかなければならない。
 組織の変革も必要である。女性が参画しやすい組織のあり方をともに考え、女性が力を発揮できる組織運営や運動になっているかの確認も重要だ。
 来年5月20日~21日には、部落解放第66回全国女性集会を姫路で開催することが決まった。人権、平和、環境、いのちと生活を守り、男女平等を実現するためのとりくみを前進させるため、すべての力を結集して、女性部大会・女性集会の成功をめざそう。


■選挙に行こう!(7月5日号)

 6月22日に公示された第26回参院選。この新聞が皆さんに届く頃には最終盤となっているが、絶対に負けられない闘いである。

今こそ差別禁止法制定を
 部落差別解消推進法(以下、推進法)の施行から5年が経過したが、「理念法」の限界を強く感じている。昨年9月の「全国部落調査復刻版」出版事件裁判東
京地裁判決では「差別されない権利」も認められず、ネット上の差別投稿もほとんど削除されることがない。やはり差別禁止規定を盛り込む改正が不可欠である。
 包括的差別禁止法の制定も必要である。粘り強いとりくみで、推進法だけでなく、障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、アイヌ施策推進法などの個別法を積み上げてきたが、自民党は包括的差別禁止法の制定には一貫して後ろ向きである。しかし、差別の問題は本来、差別を受けた被害者が傷つきながら闘って是正するものではなく、国が禁止してなくすべきものだ。日本が批准する人種差別撤廃条約に基づく国連人種差別撤廃委員会からも、差別禁止法の制定や国内人権機関の創設について、何度も勧告されている。そうした議論を加速させるためにも、大きな変化が必要だ。

憲法改悪を止めよう
 岸田政権は、ロシアによるウクライナ侵略を理由に、9条改悪や緊急事態条項の創設などの憲法改悪策動を強めている。
 2012年発表の自民党憲法改正草案では、戦争・内乱・大災害などの場合、「閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができ」、緊急事態宣言中、内閣は「法律と同一の効力を有する政令を制定」できるとしている。そして緊急事態宣言中、三権分立・地方自治・基本的人権の保障は制限される。「内閣独裁権条項」と呼ぶ法律家もいる。
 こうした憲法改悪策動を許さないためにも、改憲発議に必要な3分の2の議席を改憲勢力に占めさせないことも重要になる。

選挙に名を借りたヘイトスピーチを許さない
 今回の参議院選挙では、人種差別団体として有名な「在特会」のメンバーを中心に結成された日本第一党をはじめ、ヘイトスピーチを繰り返してきた人物が多く立候補している。兵庫県選挙区に3人の候補者を立てているNHK党も元「在特会」幹部を擁立している。
立候補者が「選挙運動」と称しておこなうヘイトスピーチがこの数年問題になっている。法務省は、選挙運動であっても差別的言動の違法性は否定されないとの通達を出しているが、こうした「選挙ヘイト」を許してはならない。

差別と戦争を許さない政治への変革を
安倍から菅・岸田へと引き継がれてきた政権下で日本の人権状況は悪化の一途を辿っている。今回の参院選は差別や貧困、格差の問題に向き合う政治を実現する闘いでもある。どの政党、候補者が人権政策の充実を訴えているのか、慎重に見極めなければならない。私たちの投票行動こそが部落解放・人権政策の実現に向けた重要なとりくみとなる。
差別と戦争を許さず、人権と平和、民主主義、環境の確立をめざした政治への変革をかちとるために、かならず投票に行こう!


■差別と戦争に反対する闘いを/参議院選挙に全力で取り組もう(6月5日号)

 ロシアが国際法に違反してウクライナに軍事侵略を開始してからはや3ヶ月が経過した。国連総会で、ロシアを非難し即時停戦を求める決議なども出されているが、ロシアは侵略行為を止めず、市民の虐殺なども明らかになっている。
 岸田政権はウクライナ侵略を口実に憲法の改悪策動を強め、安倍元首相にいたっては「核共有」まで主張するなど呆れるばかりだ。唯一の戦争被爆国である日本だからこそ、対話を基調とした平和外交の重要性を説くべきではないのか。
 3年目に入った新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的流行)も、収束の目途は依然として立ってはいない。そして、長期化する感染症の広がりや世界各国の経済成長率の鈍化を背景にした社会不安や不満の高まりは、安易に差別排外主義と結びつき、EU諸国をはじめ多くの国で政治的な不安定化を生み出している。
 日本でも、公然と差別や暴力を扇動する事件が相次いでいる。昨年8月には、在日コリアンが集住する京都府宇治市内のウトロ地区で放火事件がおきた。5月16日の初公判で起訴事実を認めた被告は「朝鮮人が嫌い」という趣旨の供述をしており、差別にもとづくヘイトクライム(憎悪犯罪)であることは間違いない。
 ヘイトスピーチを繰り返してきた「在日特権を許さない市民の会」(在特会)が2017年に日本第一党を設立して以降、選挙活動や政策ビラを利用した差別扇動が増加している。つい先日も神戸市内の繁華街で今夏の第26回参院選で候補者擁立を明言する「新党くにもり」の政策ビラを手にしたが、「外国人の土地取得廃止・禁止」「日本を日本で無くす移民(多民族)政策反対」などの差別排外主義に満ちた言葉が並ぶ。法務省は2019年に、選挙活動であってもヘイトスピーチは許されないという通知を出しているが、政治の世界に差別が浸食してきているという危機感を私たちは強く持たなければならない。
 これまで部落差別解消推進法やヘイトスピーチ解消法、障害者差別解消法、アイヌ施策推進法など、個別人権課題にかかわる法的措置は実現したものの、人権侵害に対する救済制度はできていない。昨年9月27日の「全国部落調査」復刻版裁判の東京地裁判決では、プライバシー権侵害が認められた一方、私たちが主張してきた「差別されない権利」の侵害は認められなかった。「差別禁止法」の必要性を痛感するとともに、控訴審での完全勝利に向けて粘り強く闘っていきたい。
 このような社会・政治状況のなかで、差別と戦争に反対する闘いをいっそう強化することが重要だ。
 そのためにも今夏の第26回参議院選挙(6月22日公示/7月10日投開票が有力)は非常に重要な闘いとなる。県連推薦の相崎佐和子さん(兵庫選挙区)、しば慎一さん(全国比例)の必勝に向けて、ミニ集会の開催や、紹介者カード、電話やSNSを活用した支持拡大に全力で取り組もう!


■ロシアのウクライナ侵攻に抗議する(4月5日号)


  ロシアは2022年2月24日、ウクライナへ軍事侵攻をおこなった。いかなる理由があろうとも主権国家への軍事侵攻は許されない。戦争は最大の人権侵害だ。私たちはこの暴挙に断固抗議する。
 侵攻後、ロシア軍は市街地への無差別爆撃をおこなっており、病院なども攻撃され、多くの市民が犠牲となっている。戦闘員と民間人を区別しない無差別攻撃は、国際人道法の戦争犯罪にあたり、国際刑事裁判所も捜査を始めたと報道されている。また国連難民高等弁務官事務所は3月20日、ウクライナ国内外の避難民が1000万人(4人に1人)に上ると明らかにした。
 こうした事態を引き起こしているのはロシアの軍事侵攻であり、ロシア軍は即刻ウクライナから撤退すべきである。


  ロシアのプーチン大統領はNATO(北大西洋条約機構)との対立を深め、ウクライナ東部のロシア系住民が迫害されているとして、その保護を理由に侵攻を正当化しているが、根拠不明である。そしてこれは、2014年に始まったこの地域での紛争の停戦合意(ミンスク合意)さえも反故にするものである。戦争ではいかなる問題も解決しないことはこれまでの歴史を振り返ってみても明らかである。


  また、プーチン大統領は核兵器の使用を示唆する発言もしており、国際社会から厳しい批判が集中している。国連の「核兵器禁止条約」が2021年1月に発効し、核兵器廃絶に向けて世界が大きな努力を続けている中でのこうした発言は絶対に許されるものではない。
核兵器禁止条約は現在までに59カ国・地域が批准しているが、日本は批准していない。プーチン大統領の発言を受け、広島の被爆者7団体が3月22日、広島市の平和記念公園で「核使用をやめさせよう」とのメッセージを掲げ、日本政府に核兵器禁止条約の批准を求める署名活動をおこなった。その一方で、安倍元首相は「ウクライナがロシアに侵攻されたのは核を放棄したからだ」と自論を展開し、NATO加盟国が採用している核シェアリングを日本も議論すべきだと、公然と日本への核配備を唱え始めた。核戦争の危機が具体的問題となる中でのこうした言動は絶対に容認できない。
日本政府は、平和憲法を持つ立場、かつてアジア諸国を侵略した責任、そして唯一の被爆国であることからも、核兵器禁止条約を速やかに批准し、核使用に反対するとともに、停戦のための平和外交に積極的な役割を果たすべきである。


  3月8日には、県連も参加する「戦争をさせない1000人委員会・ひょうご」が、JR元町駅前で、ロシアの軍事侵攻に抗議する緊急街宣行動をおこなった。
 引き続き、ロシア軍のウクライナ侵攻に抗議し、ロシア軍の即時撤退を求めるとともに、一日も早くウクライナの平和が実現するために世界の人々と連帯してとりくみを進めていく。


■沖縄本土復帰50年 沖縄を戦争準備の最前線にするな!(5月5日号)


 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから50年になる。政府と沖縄県が共催し、記念式典がおこなわれる。復帰50年をお祝いムード一色で終わらせるのは、沖縄の現実と歴史から目をそらすことになる。
 日本の0.6%しかない沖縄に米軍専用施設の約7割が置かれたまま、米軍機による爆音の空と基地関連の事故、米兵による事件…それらが今の沖縄の現実だ。米軍施設から泡消火薬剤含有水が流出する事故で、日本で製造・使用が禁止されているPFOS(有機フッ素化合物)が基地周辺の河川などから指針値を大幅に超えて検出されるなど、環境汚染も度々問題になっている。沖縄の人々の命と生活が脅かされる状況は変わらないままだ。


 日本の防衛予算はこの10年、連続して増加。2022年度は前年度比583億円増の5兆4005億円で、過去最大となった。昨年12月の臨時国会で成立した21年度補正予算7738億円と合わせると6兆1744億円で初めて6兆円を超えた。政府は来年、安全保障政策の見直しをおこなう予定だが、大幅増となった今回の予算を基準に、今後さらに防衛費を増額しようとしている。
 さらにその中身が問題である。政府は周辺国の軍事力強化を口実に、日米同盟における日本の役割拡大を強調する。財務省は今回の防衛関係予算のポイントとして「戦車・護衛艦・戦闘機といった従来領域の装備品を取得し、北方を含めた防衛態勢を維持しながら、ミサイル防衛や南西地域の防衛力を強化」することをあげている。
 岸田首相は2月、戦後の首相で初めて、「敵基地攻撃能力」を持つことを検討すると国会で明言。これが政府の本音である。これは従来の「専守防衛」の考え方に抵触し、「戦争放棄」の日本国憲法に違反する。
 また東シナ海の空と海で中国との緊張が高まっているとして、2013年の防衛大綱で、南西地域への自衛隊部隊配置が明記された。2016年には、日本最西端の沖縄県与那国島に陸上自衛隊が配備されたが、返還以降、沖縄県に自衛隊基地が新設されるのは初めてである。19年には宮古島に、石垣島にも今年、配備される予定だ。
 紛争が起これば真っ先に攻撃されるのは軍事基地である。先の大戦で沖縄を捨て石にしたその発想は今も変わっていない。


 沖縄の課題は基地問題だけではない。内閣府「県民経済計算」によると、1人当たりの県民所得は低く、全国最下位の年が大半である。沖縄県の産業構造は第三次産業のウエイトが高く、サービス業や医療・福祉の従事者が多い。さらにCOVID-19が沖縄県の経済状況の悪化に拍車をかけていると想像できる。政府がすべきことは辺野古新基地建設や南西諸島の軍事基地化ではなく、沖縄の民意を尊重し、沖縄への財政支援を強化することである。
 私たちも兵庫の地から、「沖縄に軍事基地の負担を強いるな」「沖縄の生活改善に国の予算を使え」の声をあげ、日米地位協定の見直しを迫っていこう。


■ロシアのウクライナ侵攻に抗議する(4月5日号)


  ロシアは2022年2月24日、ウクライナへ軍事侵攻をおこなった。いかなる理由があろうとも主権国家への軍事侵攻は許されない。戦争は最大の人権侵害だ。私たちはこの暴挙に断固抗議する。
 侵攻後、ロシア軍は市街地への無差別爆撃をおこなっており、病院なども攻撃され、多くの市民が犠牲となっている。戦闘員と民間人を区別しない無差別攻撃は、国際人道法の戦争犯罪にあたり、国際刑事裁判所も捜査を始めたと報道されている。また国連難民高等弁務官事務所は3月20日、ウクライナ国内外の避難民が1000万人(4人に1人)に上ると明らかにした。
 こうした事態を引き起こしているのはロシアの軍事侵攻であり、ロシア軍は即刻ウクライナから撤退すべきである。


  ロシアのプーチン大統領はNATO(北大西洋条約機構)との対立を深め、ウクライナ東部のロシア系住民が迫害されているとして、その保護を理由に侵攻を正当化しているが、根拠不明である。そしてこれは、2014年に始まったこの地域での紛争の停戦合意(ミンスク合意)さえも反故にするものである。戦争ではいかなる問題も解決しないことはこれまでの歴史を振り返ってみても明らかである。


  また、プーチン大統領は核兵器の使用を示唆する発言もしており、国際社会から厳しい批判が集中している。国連の「核兵器禁止条約」が2021年1月に発効し、核兵器廃絶に向けて世界が大きな努力を続けている中でのこうした発言は絶対に許されるものではない。
核兵器禁止条約は現在までに59カ国・地域が批准しているが、日本は批准していない。プーチン大統領の発言を受け、広島の被爆者7団体が3月22日、広島市の平和記念公園で「核使用をやめさせよう」とのメッセージを掲げ、日本政府に核兵器禁止条約の批准を求める署名活動をおこなった。その一方で、安倍元首相は「ウクライナがロシアに侵攻されたのは核を放棄したからだ」と自論を展開し、NATO加盟国が採用している核シェアリングを日本も議論すべきだと、公然と日本への核配備を唱え始めた。核戦争の危機が具体的問題となる中でのこうした言動は絶対に容認できない。
日本政府は、平和憲法を持つ立場、かつてアジア諸国を侵略した責任、そして唯一の被爆国であることからも、核兵器禁止条約を速やかに批准し、核使用に反対するとともに、停戦のための平和外交に積極的な役割を果たすべきである。


  3月8日には、県連も参加する「戦争をさせない1000人委員会・ひょうご」が、JR元町駅前で、ロシアの軍事侵攻に抗議する緊急街宣行動をおこなった。
 引き続き、ロシア軍のウクライナ侵攻に抗議し、ロシア軍の即時撤退を求めるとともに、一日も早くウクライナの平和が実現するために世界の人々と連帯してとりくみを進めていく。


■全国水平社創立100年 部落解放運動の活性化を(3月5日号)

 県連は3月27日、丹波篠山市の四季の森生涯学習センターで第63回県連大会を開催する。昨年末からCOVID-19の新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大が続き、兵庫県の累計感染者数も20万人を越えた。2月18日にまん延防止等重点措置の延長も決まったが、現時点では2年ぶりの対面式での開催を考えている。今後の推移を観察しながら、開催形式については慎重に判断していきたい。
 今年は全国水平社の創立から100年の節目の年である。
 当時の部落の青年達が融和主義を否定し、部落民自身が主体的に自主解放をめざす集団運動を起こした歴史は燦然と輝くが、それは同時にさまざまな弾圧を経験し、尊い犠牲者まで出した苦難の道でもあった。崇高な精神が水平社宣言のなかに凝縮されている。今大会では、その精神をあらためて確認しながら、これまでの部落解放運動の成果と今後の課題を明らかにしていきたい。
「部落差別解消推進法」(以下、推進法)の施行から5年が経過し、昨年は三田市で、推進法施行後県内6つ目となる「人権を尊重し多様性を認め合う共生社会を目指す条例」の制定を勝ち取ることができた。またインターネットモニタリング事業に取り組む自治体も増加し、現在27市8町で導入されるなど着実に成果を上げている。今後も相談窓口の充実や実態調査の実施など、推進法の具体化を県内各市町に求めていかなければならない。
 他方、推進法の限界も明らかになっている。「全国部落調査」復刻版出版事件裁判の地裁判決が不十分な内容になった原因は、部落差別を禁止する法律がなかったためである。
 今後も続く裁判闘争を通じて「差別は法的に禁止されなければならない」という世論を形成し、鳥取ループ・示現舎に代表される「差別の確信犯=差別の商人」を追い詰め、推進法の改正や人権侵害救済法、差別禁止法などの法整備を求めていく。
 また、不当逮捕から59年目を迎えた狭山の闘いについても、半世紀以上も無実を訴え続けている石川一雄さんの不屈の闘いに応え、今年こそ私たちの手で再審の扉をこじあけるために、住民の会や県民共闘会議などと連携し、創意工夫した闘いをすすめていきたい。
 部落解放運動を継承し、次代を担う青年層の組織化も喫緊の課題である。部落解放同盟の基礎組織が支部であることは言うまでもないが、少子高齢化、過疎化、後継者不足という厳しい現状の中、部落外で生活する出身者や関係者をどう組織していくのか、規約や同盟員登録などの見直しを図り、新たな結集軸を真剣に考えなければならない。
 長引くコロナ禍の今だからこそ、同盟員や家族、地域のなかで困っていることを拾い上げ、さまざまな制度の活用を呼び掛けることも必要である。そうした生活相談活動を充実させ「やっぱり解放同盟は頼りになる」との信頼を勝ち取り、組織の強化・発展に繋げていこう!


■感染対策に日米地位協定の壁 抜本改定して命と健康守れ(2月5日号)

 今年もCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)が収まらない。それどころか現在、変異株オミクロンが猛威を振るっている。「まん延防止等重点措置」が1月9日から沖縄県、山口県、広島県に、その後、1月27日までに全国34都道府県に適用された。
 初めに感染が急拡大した沖縄県、山口県に共通するのは在日米軍の海兵隊基地の存在である。広島県は基地がある山口県岩国市に隣接しており、「(岩国市と)関連のある感染例が多い」という。
 沖縄の米軍基地では昨年12月初旬、米本国から渡航前PCR検査を受けずに沖縄に来た部隊から感染が広がった。沖縄県が国立感染症研究所の協力を得て作成したオミクロン株のリンク図からは、キャンプハンセンから嘉手納基地、そして市中感染へと広がったと推測されている。
 1月20日の参院本会議で林芳正外相は、在日米軍施設区域での新型コロナウイルス感染者数は19日現在6350人、このうち在沖縄米軍は4141人だと説明している。
 米側が日本に連絡せずに昨年9月以降、海外からの出国前検査を取りやめていたこともわかっている。
 沖縄は現在(1月27日)も直近1週間の10万人あたり感染者数が全国1位である(2位は大阪府、3位は東京都)。
 全国の在日米軍専用施設の約70%が集中する沖縄では、米軍関係の事件や事故、環境汚染などが後を絶たないが、前述のように、新型コロナウイルス感染症の問題でも、大きな影響を受けている。構造的差別の問題として考えなければならない。
 岸田文雄首相が1月17日におこなった就任後初の施政方針演説では、感染が急拡大した点について、在日米軍の存在に触れざるを得なかった。しかし、新型コロナ対応は日米合同委員会で協議するとしただけで、問題の根本とされる「日米地位協定」の見直しには言及しなかった。
 日米地位協定とは、日米安全保障条約に基づき、在日米軍の法的な取り扱いや地位について定めたもの。米軍が駐留する多くの国でも同様の協定が結ばれているが、それらと比べて主権が最も喪失されている不平等協定と言われている。日本では、国内法は原則不適用、管理権も及ばず、訓練・演習も航空特例法等により規制できない。ドイツ、イタリア、ベルギー、イギリスなどでは国内法は原則適用されるし、韓国でも粘り強い交渉の結果、米軍関係者の容疑者の身柄の引き渡しや捜査などに関し、韓米地位協定が改定されてきた。
 新型コロナ対策においても、日米地位協定により、米軍には検疫法など日本の法律が適用されない。
 今、必要なのは、米軍関係者の感染防止対策や管理体制の徹底、情報提供などを求めるだけでなく、このような状況を作り出している日米地位協定を抜本的に改定することである。日本の住民の命と健康と生活がかかっているのだ。


■2022年展望と課題(1月5日号)

 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症のパンデミック(世界的大流行)が始まって2年。私たちの暮らしに大きな影響をもたらし、さまざまな差別を生み出している。
 第4波、第5波では自宅で治療が受けられないまま多くの人が亡くなった。
医療と福祉が最優先され、差別のない、命と暮らしが守られる社会を実現させなければならない。

鳥取ループ・示現舎との闘いに勝利を
 差別撤廃の観点からは、「差別の商人」鳥取ループ・示現舎との闘いが極めて重要である。
「全国部落調査」復刻版出版事件裁判は昨年9月27日、東京地裁で判決が出された。「「全国部落調査」の公表により結婚や就職で差別を受ける恐れがある」として、復刻版の出版差し止めなどを認めた一方で「差別されない権利」の侵害などは認められなかった。 
 当然、原告団は控訴したが、被告も控訴した。舞台は東京高裁に移る。一審判決で認められなかった私たちの主張を何としてでも高裁に認めさせよう。
 また「部落探訪」については現在も削除されていない。それどころか、第2・第3の模倣犯も現れている。そういった意味でも差別動画を削除させた丹波篠山市の取り組みは画期的であり、全国的に同様のとりくみが望まれる。
狭山再審を勝ち取ろう!
 半世紀以上も無実を訴え続けている石川一雄さんの不屈の闘いに応え、事実調べを実現し、今年こそ、再審実現をかちとるために全力をあげていかなければならない。コロナ禍で集まることが困難な今だからこそ、住民の会や共闘会議などと連携し、創意工夫した闘いをすすめていこう。

差別に対する怒りの結集を
  昨年8月、京都府宇治市にある「ウトロ地区」の空き家が放火されたが、逮捕された容疑者は昨年7月、名古屋市の在日本大韓民国民団の施設に火をつけたなどとして逮捕された人物である。ウトロ地区は日本政府が1940年から推進した「京都飛行場建設」に動員された在日朝鮮人労働者たちの飯場跡に形成され、子孫の在日コリアンらが多く暮らす地区だ。
 ヘイトの確信犯が具体的な蛮行、ヘイトクライムを実行するところまでエスカレートしている。社会のなかに差別を容認し、あるいはマイノリテイへの攻撃に加担する風潮が強まってきているのではないだろうか。差別に対する大衆の怒りを結集させることが必要だ。
運動の継続・拡大を
 兵庫県連の大きな課題として、同盟支部やブロック、地域の活性化がある。
農山村部だけでなく、都市部でも組織を維持することが困難な支部も増えており、組織を統合・合併することで運動を継続する必要も生じている。
 社会が右傾化するなか、部落差別に対して、自ら大衆運動を起こすには支部組織の存続が不可欠である。また運動の継承には青年の組織化も重要である。ITを活用した連絡網の構築などで地域の活性化と組織の拡大をめざそう。
水平社創立100年のいまこそ、荊冠旗のもとに再度固く強く団結し、「よき日」の実現のために闘いをすすめよう。