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2021年

■「かなざわ和夫さんを囲む人権のつどい」へ(5月5日号)

 県連は7月の兵庫県知事選挙で、金沢和夫・前兵庫県副知事を推薦することを決めた。金沢さんは2010年からの副知事在任中、兵庫県人権啓発協会の理事長なども歴任、人権行政の先頭で活躍してきた人だ。
 知事選には、一部の自民党県議が出馬要請した前大阪府財政課長が立候補を表明。日本維新の会がいち早く推薦を決定した。この元課長は「(維新と)政策の方向性が一致した」とし、兵庫維新の会代表も「大阪府の職員として3年間、維新の政策を勉強してきた」と語っている。キャリアや状況から判断して、維新の政策を体現する候補者であることは間違いない。
 大阪では2008年に橋下徹元知事が誕生して以降、10年以上維新政治が続いている。「二重行政の廃止」「行政のスリム化」「官から民へ」を掲げ「行政改革」を進める中で、職員削減、パソナなど民間企業の派遣への置き換え、福祉や人権、教育の予算削減、公的病院の統廃合や補助金削減、民営化を進めてきた。
 その結果、大阪母子医療センターなどが医療機器購入や運営資金のために寄付を呼びかけざるを得ない状況になるなど、公的医療の脆弱化が指摘されている。
 現在、新型コロナの感染拡大が続いており、4月25日には大阪、兵庫、京都、東京の4都府県に3度目の緊急事態宣言が発令。兵庫県も厳しい状態だが、大阪府では重症病床の使用率が実質100%を超え、他県や国に看護師派遣を要請する状況になっている。これまでの「維新改革」のつけが今、住民にまわっていると言えないだろうか。
 公的医療・保健の切り捨ては国が進めてきたことでもあるが、維新はそれを先取りしてやってきたのだ。
 維新はまた、人権文化センターなど人権行政の拠点の統廃合も進めてきた。1985年開館のリバティおおさか(大阪人権博物館)は国内外で高い評価を受けてきたが、大阪府、大阪市が2013年補助金を停止。2015年には大阪市が建物取壊しと市有地の明渡しを求めて提訴、昨年休館に追い込まれた。市有地とは言ってもそこは元々、地元の被差別部落の人々が小学校用地にとお金を集め市に寄付した土地である。
 コロナ禍で差別が広がり、解雇や雇止めは10万人を超えるなど人々の生活は疲弊している。これから必要なのは、医療、福祉、教育など公共的な分野を手厚くすることであり、維新のやってきたことと正反対の政策である。「維新の政策を勉強してきた」人物にそれができるはずがない。
 県連が推薦する金沢和夫さんは「誰も取り残さない社会」「どの人も、どの地域もともに輝く兵庫」を掲げ、これまでの実績を活かしつつ、コロナ後の兵庫の躍動を推進することも重点目標としている。敵を作って叩き分断する維新とは異なり、人権を大切にし、支え合い分かち合う社会を金沢さんとともに作ろう。
 県連は県内2会場で「かなざわ和夫さんを囲む人権のつどい」を開催する。これまでにない厳しさが予想されるが、金沢さんの必勝をめざし、「人権のつどい」への参集、金沢さんへの支援をお願いする。


■県連62回大会を成功させよう(4月5日号)

 県連は来る4月11日、のじぎく会館で第62回大会を開催する。例年より代議員を半減して、感染症対策を行って大会に臨む。本大会の主要な課題のうち、次の6点を挙げる。
1、男女平等社会推進のとりくみ
 本大会で県連内に「男女平等社会推進本部」を設置する。そして、具体的に組織内の意識変革と組織の在り方について議論をはじめるとともに、部落女性や被差別マイノリティ女性の生活実態調査を国や各自治体に求めていく。
2、県連規約の改正
 コロナ禍のもと、昨年の大会は書面議決としたが、緊急避難的な措置であった。現規約では代議員等が一堂に会する大会しか想定していない。今後も大規模災害や深刻な感染症の発生が起こる可能性は十分にある。最高決議機関である県連大会やその他の機関会議も非常時に対応できるよう、規約や規定を整備する。
3、命と生活守るとりくみ
 新型コロナウイルス感染症は、未だ収束の見通しもない。政府の無策が追い打ちをかけ、命と生活が脅かされている。また新型コロナに対する不安や恐怖、先行き不安などから偏見・差別が生まれている。これに対するとりくみとともに、政府や自治体に対しては、徹底した検査の実施や医療の充実を求める。合わせて、生活保障を要求する。
4、狭山事件の再審無罪を
 狭山事件は、事件発生から58年を迎える。石川一雄さんの無実を示す科学的根拠をもった証拠は整っている。東京高裁に事実調べと再審開始決定をさせるため、世論形成に向け運動を強化する。各ブロックで共闘会議等と連携して狭山闘争を強化しよう。また青年の組織化に狭山事件の学習を取り入れよう。
5、「全国部落調査」復刻版出版事件裁判の勝利
 差別の確信犯・差別を商う鳥取ループ・示現舎に対する裁判は3月18日に結審し、9月27日に判決が出される。絶対に負けられない裁判であるが、決して油断できない。最終意見陳述で彼らは「学術研究の自由」と称し、「全国部落調査」復刻版の出版やネット上の公開を正当化しようとした。そのために、アメリカのラムザイヤー・ハーバード大学教授が「全国部落調査」を引用して論文を書いたことまで持ち出している。この論文は部落や沖縄、慰安婦問題についてデマと差別を展開して批判を受けているものである。
 また裁判勝利とともに、彼らの収入減を断つことも重要である。多くの人に呼びかけ、彼らのサイトの広告企業への抗議と掲載中止要請を集中させよう。
6、知事選はじめ各種選挙で県連推薦候補の当選を
 県連は7月18日投開票予定の兵庫県知事選挙で3月8日、金沢和夫副知事に出馬要請を行った。金沢副知事は3月24日の県議会最終日に出馬表明し、副知事を辞職した。部落問題・人権問題に理解の深い金沢知事誕生に向け、県連は最大限の取り組みを行う。また、金澤和夫さんを囲む人権のつどいも開催する。
 その他、今年は市町長選挙や市会・町会議員選挙も予定されている。地元ブロックや県連推薦候補者の必勝をかちとろう。

 県連大会への代議員の結集を訴える。


■感染症法・特措法の改悪強行に抗議する(3月5日号)

 今国会で「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」「新型インフルエンザ等対策特別措置法」などが改正されました。
 厚生労働省は改正の趣旨を「国民の命を守るため必要な見直しは速やかに対応していく必要がある」としています。しかし、医療現場や保健所の実情を踏まえず、いたずらに私権を制限する暴挙であり、改悪に他なりません。
 感染症法改正では、立法事実も明らかにされないまま、入院勧告に従わない感染者などへの罰則(行政罰)が作られました。感染者個人に責任を負わせるものだとして日本医学会連合、日本疫学会、日本公衆衛生学会などが反対声明を出しました。ハンセン病市民学会も「著しい人権侵害」、「国の誤ったハンセン病隔離政策の教訓」が生かされていないと、反対声明を出しています。
 感染者等への差別があるなか、罰則の新設は、差別の扇動・拡大、相互監視の陰湿な社会を生み出すことにつながります。感染症法前文にある「過去にハンセン病…等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要」という法の趣旨に反するものに他なりません。
 特別措置法改正では、休業や営業時間短縮の要請・命令に応じない事業者に対する行政罰が作られました。十分な補償もないまま強権的に権利を制限し、意に従わせるようとする管政権の政権運営を許してはなりません。
 また、医療・保健体制の問題点もあらためて浮き彫りになっています。
 戦後、一般病床数(一般病床と療養病床)は1980年代まで増加し続け、全国で153万床(1990年)となりました。しかし、1985年の医療法改正、医療計画制度導入で総量が規制されることになり、減少に転じます。また、臨床研修医制度の改悪で研修先が完全自由化され、地方の公立病院はたちまち医師不足に陥りました。
 厚生労働省は2019年9月、公立・公的病院の再編・統合を検討するよう、424の病院リストを公表し、都道府県に通知。コロナ禍で検討結果期限は延期されたものの、その方針は見直されていません。
 保健所数についても、1989年には全国に848所あったものが、2020年には469所とほぼ半減しました。住民に身近な保健所の激減は、地域の保健衛生や育児、感染症対策に決定的な影響を与えています。
 第1波のときから独自の検査基準を採用し注目された和歌山県は、保健所再編の流れに抗して保健師の数を確保。保健所数も10から8と、2割減にとどまっています(兵庫県26→12、神戸市9→1、大阪府22→9、大阪市24→1)。第3波対応でも新規感染者数(人口比)が関西2府4県で最も少なく、その背景に手厚い保健所体制があると指摘されています。
 こうした安易な効率化の流れを止めなければなりません。今こそ、差別の拡大に抗し、いのちとくらしを守る社会に変えていくことが問われています。


■袴田事件の一日も早い再審を 狭山もともにたたかおう(2月5日号)

 最高裁は2020年12月22日、袴田事件の特別抗告審で、再審開始決定を棄却した東京高裁の判断を取り消し、審理を東京高裁に差し戻す決定をした。
 袴田事件とは1966年6月に静岡県清水市(現静岡市清水区)のみそ製造会社の専務宅から出火、焼け跡から一家4人の他殺体が発見された事件。警察は予断と偏見に基づいて、工場で働いていた袴田巖さんを逮捕した。袴田さんは逮捕から20日目に自白させられたが、裁判では一貫して無実を訴えている。
 1968年9月、第1審の静岡地裁で死刑判決、1980年12月に最高裁が上告棄却し確定。袴田さんは再審を求めて闘っている。
 第2次再審請求で2014年3月27日、静岡地裁は「重要な証拠が捜査機関に捏造された疑いがある」「拘置をこれ以上継続することは耐えがたいほど正義に反する」として、再審開始と死刑及び拘置の執行停止を決定、袴田さんは48年ぶりに釈放された。
 しかし、検察側が抗告、2018年6月11日に東京 高裁は再審開始決定を棄却した。弁護団の特別抗告を受け今回、最高裁は「著しく正義に反する」と、高裁の棄却決定を取り消した。ただ、差し戻しになったことで闘いは長期化することになった。
 5人の裁判官のうち2人(林景一・宇賀克也裁判官)は差し戻しではなく、再審にすべきと異例の反対意見を述べた。弁護団も「両裁判官の意見は、公平かつ公正に証拠を評価した、正に人権の砦たる最高裁にふさわしいものであるだけでなく、国民の目線に立った優しく血の通った意見である」との見解を出した。
 狭山事件の元担当裁判長で2009年に検察に証拠開示を勧告した門野博弁護士(元東京高裁判事)は「ここまでの疑問が出ているのなら…再審を開始して決着をつけるべき」「差し戻すのはあまりにも回りくどい判断」と述べている。
 袴田事件発生から50年以上が経過している。袴田さんは84歳、姉のひで子さんも87歳、ともに高齢だ。1日も早い再審決定を求めていかなければならない。
 ◇ ◇ ◇
 また、狭山事件の再審・無罪も、ともにかちとっていかなければならない。
 狭山事件と袴田事件。この2つの冤罪事件は共通するところがある。警察の偏見に満ちた捜査と逮捕。長時間に及ぶ取り調べと自白の強要。証拠の捏造―。
 袴田事件では、袴田さんが事件直後左手中指を怪我していたこと、元プロボクサーだったことなどを理由に袴田さんを犯人と断定し、逮捕した。狭山事件でも捜査に行き詰まった警察が被差別部落地域に見込み捜査をおこない、石川一雄さんを別件逮捕した。
 今回の決定で閉ざされかけた袴田事件再審への扉は開いたが、狭山事件は多くの新証拠を提出しているにも関わらず、鑑定人尋問もおこなわれていない。
 今こそ世論を大きくし、大野勝則裁判長に事実調べ、再審開始を求め、今年こそ再審の扉を開けよう!


■2021年展望と課題(1月5日号)

 2020年の新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の蔓延は、私たちの生活に大きな影響をもたらし、さまざまな差別を生み出しています。
 不安や不満が深まる社会状況のなかで、差別を許さず、いのちと生活を守る部落解放運動を全力で進めていかなければなりません。
 2021年の兵庫県連の主な課題を以下に述べます。

1 コロナ対策の徹底を
 第3波の感染拡大は依然収束するめどもなく(12月14日時点)、政府のコロナ対策は不十分過ぎます。医療体制も危機に瀕しています。
 この間、自死者が増えています。とりわけ女性が増えているのが特徴です。失業など生活の先行きに不安を覚え、追い詰められた結果ではないでしょうか。根本的な生活保障を求めます。

2 鳥取ループ・示現舎との裁判に勝利しよう
  「全国部落調査」復刻版裁判も証人尋問を終え、いよいよ3月18日に結審を迎えます。5月には判決が出される見込みです。差別を商い、被差別部落に自分の本籍を移し「自分も部落民だ、復刻版を発行できない差別を受けた」と詭弁を弄する被告を許すことはできません。
 差別的なサイトを運営し、そこから広告収入などを得ている被告の収入源を絶つことも重要です。この裁判に勝利できなければ、第2第3の鳥取ループを野放しにすることにもつながります。

3 狭山再審をかちとろう
 石川さんに無期懲役を科した寺尾確定判決の有罪根拠はすべて崩れ去っています。東京高裁は直ちに事実調べを行い、再審を開始すべきです。
 そのために必要な行動の全て(青年や共闘を対象とした学習会、要請はがき、署名、街頭行動など)をやりきりましよう。さらに創意工夫を凝らした活動を展開しましょう。

4 兵庫知事選挙はじめ首長選挙、市町議員選挙で県連が推薦する候補者の必勝をかちとろう
 昨年12月11日の県議会最終日に井戸兵庫知事は次回の知事選挙には出馬しないことを表明しました。夏には兵庫県知事選挙が行われる予定です。
 県連と井戸県政は良好な関係を築いてきました。県連は井戸知事の後継者を推薦し、その必勝を期します。
 また今年予定される神戸市など11市7町の首長選挙、8市5町の議員選挙で、県連推薦の首長、議員の当選をかちとりましょう。

5 県内全ての自治体で部落差別解消の条例をかちとり、計画の策定や実態調査を実施させよう
 兵庫県内では部落差別解消推進法以前に4市町で、法律施行後5市町で部落差別や人権に関する条例が制定されています。とくに、たつの市では市民意識調査や実態調査が実施されました。実態が明らかになることで課題も明確になります。
 県内29市12町、すべての市町で部落差別解消の条例を制定させることが重要です。組織内外の議員と連携し、あらゆる差別を許さず、住民の安全と生活を守る自治体としての姿勢を明らかにさせましよう。