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2020年

■第61回県連大会を成功させよう(3月5日号)

 県連は3月22日、のじぎく会館において第61回県連大会を開催する。
今大会より、県連大会代議員の選出方法、代議員選出基準単位などの変更をおこなった。
 代議員の選出は、これまで支部ごとの選出としていたが、支部・ブロックの活性化のとりくみを強めるためにブロック(市町)単位で選出する方法へ改定した。また、きめ細やかに同盟員の声を反映するために、代議員選出基準を同盟員40人単位に変更した。
 部落解放同盟の基本組織が「支部」であることは言うまでもないが、日常的な組織活動に困難を抱えている支部もあり、地域の運動をどう継続していくのかを考えていかなければならない。今回の変更は、各支部の現状を踏まえて、支部・ブロックの活性化と、支部の合併等を含む組織再編を促すためでもある。
◆ ◆ ◆
 今大会の主要な課題の一つは、差別に対する闘いを強化することである。とりわけ、部落の地名をネット上に暴露し差別を広げ、差別を商いとしてきた鳥取ループ・示現舎との裁判闘争に勝利することである。提訴から三年が過ぎ、秋には証人尋問が予定されている。ともに取り組む人たちとのつながり、支援の輪を広げながら闘いをすすめていくことが重要である。
 二つ目に、ブロック・地域・支部の活性化をすすめ、強固な組織建設をはかることである。
兵庫はその多様な気候と風土から「日本の縮図」と言われているが、部落もまた地域ごとに特色を持っており、それらの特色を活かすとりくみが求められている。地域の活性化にむけ活用できる制度や施策を駆使し、各級役員の世話役活動を強化していくことが必要である。地域に存在する隣保館や教育集会所、公民館等の施設を活用し、様々な世代の人々が集まる交流の場としていくことも大切である。支部役員や関係者が地域おこしの牽引車となるよう、指導者育成に向けた研修も企画する。
また、部落解放運動が抱える困難を打破するために、次世代の育成、青年層の組織化が重要な課題である。多くの青年層が故郷のムラを離れ、部落外で生活するなか、部落解放運動に関心の持つ青年が参加できるためのシステムを作ることは喫緊の課題である。
 三つ目に、狭山再審闘争勝利に向けた闘いの強化である。
57年も無実を訴え、80歳を超えた石川一雄さんの再審無罪の展望を切り開かなければならない。2009年から開始された裁判所・弁護団・検察の三者協議は、これまで41回積み重ねられてきた。弁護団は224点もの無実の新証拠を裁判所に提出してきたが、検察側は反証を提出し、再審の妨害をおこなっている。県民のつどいの開催や映画『獄友』を活用した情宣行動などの他、冤罪が生み出される要因になっている「代用監獄」の廃止や取り調べの全面可視化、証拠開示の法制度化を求める請願署名のとりくみなど、あらゆる運動を展開しよう。
 代議員の積極的な論議で大会を成功させよう。


■部落差別解消・人権条例制定にむけ運動の強化を(2月5日号)

 2016年に施行された部落差別解消推進法には、「現在もなお部落差別が存在」し「許されないもの」と明記されている。しかし、理念法であり罰則規定や救済規定はない。具体的な事業や予算確保についても規定していないので、具体化―部落差別をなくす施策につなげるためには、自治体での関係条例の制定が重要になる。県内では2017年にたつの市、2018年に加東市、2019年に神河町で部落差別解消推進の条例が制定された。それぞれ審議会の設置、調査の実施や計画の策定など、具体的な施策実施が規定されている。
 たつの市ではすでに審議会が設置され、市民の意識調査や関係住民の調査が行われた。その結果を踏まえた一層の人権行政の進展が期待される。
加東市議会では、議員から「不十分であるがその効果に期待する」との賛成討論がなされた。神河町議会でも、条例に賛成の立場で「相談体制の充実を」求める意見が出た。具体的な施策はこれからであるが、行政も議会も真剣に部落差別解消に努力しようとする姿勢が現れている。
 現在は尼崎市や三田市で条例制定の準備がすすんでいる。ただ、これらは部落差別解消推進に特化したものではない。尼崎市の条例案は「尼崎市人権文化いきづくまちづくり条例」。尼崎市と事業所、市民が力を合わせて尼崎市を安全で安心して暮らせるまちにするために人権を大切にしようとする趣旨の条例である。2016年に施行された障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法を含めた「人権三法」を受けたものとなっている。
 県連としては、「部落差別解消」に特化した条例でなければだめだという立場は取らない。部落差別解消に特化したもの、人権全般を視野に入れた条例のどちらも重要だと考えている。大切なことは各市町での人権状況を直視し、人権侵害をなくし改善するとりくみをすすめることである。
 1月18日、尼崎市で条例制定を応援する市民集会が開催された。市議会議員や連合地区協議会、兵教組尼崎支部、阪神医療生協、日本軍慰安婦問題を考える会・尼崎の他、障がい者団体、部落解放同盟尼崎市連絡協議会などが呼びかけ人(団体)になっており、それぞれが決意を表明した。尼崎でもまだまだ人権課題があることが明らかにされ、だからこそ市民が条例制定を応援しようと改めて確認する集会となった。
 ところで、尼崎市条例や神河町の条例制定に兵庫県地域人権運動連合が反対している。彼らは「法律や条例で対応すべき部落差別は存在しない」「市民に責務を課すのは市民を差別者扱いするものだ」等の主張をしている。各地の人権意識調査だけを見ても部落差別の現状はわかると思うが、彼らはそれを見ようともしていないのではないか。こうした、「反対のため」の反対をする一部の人々を論破し、自信を持って条例制定運動を展開しよう。


■2020年展望と課題(1月5日号)

一 部落解放をめざす運動の継続・拡大を
 2022年には水平社結成100年を迎える。しかし、「現在もなお部落差別が存在するとともに、情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じている」と部落差別解消推進法(2016年)が示すように、厳しい部落差別の実態がある。
 1969年から33年間に渡っておこなわれた対策事業によって住環境改善や教育・啓発は一定進展してきたが、現在の市場経済優先政策により格差が拡大し、社会に閉塞感が漂うなか、不満の捌け口や愉快犯の標的として部落差別が悪用されている。
 また鳥取ループ・示現舎や元フジテレビアナウンサーの長谷川豊などに象徴される差別の確信犯への対応も大きな課題である。
 部落差別をはじめとするあらゆる差別をなくすために、兵庫県連は以下のとりくみに全力をあげる。

二 支部とブロック・県連の連携強化、同盟員の結集
 昨年もいくつかの支部が活動を休止し、同盟員数は減少している。同盟員の年齢層も極めて高く、運営が困難な支部が少なくない。こうした支部についてはこれまで合併や統合などで組織維持をおこなってきたが、これまで運動で勝ち取ってきた成果を守り、確実に継承していくためにも、支部の再編やブロック・地協・市協との連携方法など、今後の部落解放運動の在り方を真剣に論議しなければならない。
 また県内各地域の「人権のまちづくり」運動を活性化させるため、毎年実施するブロック懇談会などの機会を通じて、県連の「ブロック活動助成金」「人権のまちづくり事業補助金」制度や各種行政制度などの積極的な活用を呼びかける。
 そして何よりも、次世代を担う活動家の育成に全力で取り組まなければならない。県連青年部は昨夏の第26回大会で、支部がなくなってしまった地域や、県外からあらたに兵庫に就職・進学してきた青年を組織できるよう、青年部規約を改正した。部落解放同盟の基礎組織が支部であることは言うまでもないが、部落解放運動に関心をもつ青年が参加できるためのシステムを作らなければならない。

三 推進法の具体化を求めよう!
 部落解放運動の主要な課題である人権侵害救済法・差別禁止法の制定、 狭山事件の再審実現、差別糾弾闘争をしっかりと取り組むことはもちろん、今年は特に部落差別解消推進法の具体化を進めていきたい。県内では昨年12月に神河町で3番目となる条例が制定され、今年は多可町などでも条例の制定が期待される。県内すべての自治体で条例制定やインターネットモニタリング事業の導入を求めよう!
 部落解放運動を取り巻く状況は厳しいが、現実としっかりと向き合い、2020年を飛躍の年にしよう!