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2019年

■選挙の名を借りたヘイトスピーチを許すな(6月5日号)

4月に実施された統一地方選挙では、全国で34人の組織内候補者が当選。県内では組織内候補9人と推薦候補19人の当選を勝ち取ることができた。それぞれの自治体で部落差別解消推進法の具体化、人権行政のさらなる推進が期待されるが、今回の選挙戦を通じて大きくクローズアップされたのが、公職選挙法を悪用したヘイトスピーチだ。
この問題については3月の第76回全国大会でも代議員からとりくみの強化を求める発言があった。
今回、在特会元会長の桜井誠が「日本第一党」の党首として、福岡県議選、神奈川県議選、東京都練馬区議選、京都市議選、大阪府八尾市議選などで12人の公認候補を擁立した。
また2011年に水平社博物館前で差別街宣をおこない有罪判決を受けた川東大了も政治団体「朝鮮人のいない日本を目指す会」の代表を名乗り、前回に続き大阪府枚方市議選に出馬。
県内では播磨町で「NHKから国民を守る党」から増木重夫が立候補した。増木も在特会関西支部長を名乗って小学校校長を脅迫した容疑で逮捕されたことのある人物である。「NHKから国民を守る党」の代表は、「森友問題で国有地が値下げされたのは同和絡みの案件だから」という悪質なデマ動画をyoutubeで大量に垂れ流した立花孝志(元葛飾区議、現在堺市長選に立候補)である。
結果的にはすべて落選したものの、かなりの票を獲得した候補者もいる。昨年10月の川西市議選では、徳島県教組襲撃事件(2010年4月)で有罪判決をうけた中曽千鶴子がやはり「NHKから国民を守る党」から出馬し当選した。
これまで中央本部を中心に法務省交渉などで選挙演説に名を借りたヘイトスピーチには厳しい対応を求めてきたが、法務省人権擁護局が3月12日付で「選挙運動政治活動等として行われる不当な差別的言動への対応について」という事務連絡を地方法務局に通知。
3月28日には、選挙運動と称しておこなわれるヘイトスピーチについて、虚偽の公表など刑事事件とすべきものがあれば適切に対応するようにと、警察庁から全国の警察に通知されている。
安倍政権が北朝鮮や韓国、中国を仮想敵国として仕立て上げ、国民感情を煽るような外交をおこなっていることが、ヘイトスピーチを「差別ではない。言論の自由だ」と言い張る歪んだ考えを下支えしている。
今夏に予定されている参院選挙は、人権と平和、民主主義の確立をめざす政治勢力を大きく結集させ、「多様性」や「寛容」という価値観を大切にする社会の実現に向けた重要な闘いとなる。みずおか俊一さん(全国比例代表)、安田真理さん(兵庫選挙区)の勝利を全力で勝ち取るとともに、選挙の名を借りたヘイトスピーチを許さず、この間の法務省人権擁護局の通知などをしっかりと活用し、部落差別解消推進法、ヘイトスピーチ解消法を実効あるものにしていくためのとりくみをすすめたい。


■改元に際し、天皇制強化に反対する(5月5日号)

 政府は4月1日、天皇の代替わりに伴う新元号を「令和」と閣議決定し、公表した。施行は新天皇即位の5月1日からとなる。
 天皇退位の日が2019年4月30日に決定されたのは2017年8月。カレンダー業界などをはじめ、早期の新元号決定を望む多くの声がある中で、今年4月まで発表が引き伸ばされてきたのは、安倍首相の強力な支持層である右翼団体、日本会議などの意向に配慮した結果である。
世界には、イスラム暦や台湾の民国紀元など、独自の暦を使う国もあるが、元々中国で生まれた元号制度を今も採用しているのは日本だけである。日本では、西暦645年の「大化」から「平成」まで247の元号があるが、明治以後は、一人の天皇につき一つの元号に限っており、「天皇の御代」を示すものとなってきた。
 1945年の敗戦後、元号はその法的根拠を失い、まったく明文化されなくなった。しかし、1979年、政府は「元号法」制定を強行し、「事実たる慣習」に法的根拠を与えた。この法制化に邁進したのが、日本会議につながる「元号法制化実現国民会議」である(日本会議は1997年、「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」が合流して結成されたが、後者の前身が「元号法制化実現国民会議」)。
元号法は、「元号は政令で定める」「元号は皇位の継承があった場合に限り改める」の2つの条文のみで構成されている。明治憲法では天皇が決めるものとされていたが、元号法では「政令で定める」すなわち、内閣が定めることとなった。
 官公庁の作成する公文書のほとんどは和暦(元号)が用いられているが、市民はもとより行政文書に関しても、元号法に使用を義務づける規定はない。
 元号法制定時の国会審議に際して、政府は次のように述べている。
「公的な機関の手続なりあるいは届け出等に対しましては(中略)たって自分は西暦でいきたいという方につきましては、今日までと同様に、併用で、自由な立場で届け出を願ってもこれを受理する」(1979年4月27日、参議院本会議における三原朝雄総理府総務長官の答弁)
「強制する、拘束するものではないという趣旨を十分徹底して、行き違いがないようにいたしたい」(同、古井喜實法務大臣の答弁)
 このように、元号に強制力がないのは国会答弁からも明らかだが、実際はそうなっていない。被害届を出す際に西暦表記では受け付けられず、元号表記に直されたこともある。
 部落解放運動の先達、松本治一郎は「貴族あれば賤族あり」と看破し、天皇制強化に反対した。天皇制は人間を血統によって差別する制度である。部落解放同盟の現綱領でも「戸籍制度や天皇制などの人権を侵害する法や制度の改廃」を謳っている。私たちは天皇退位と新天皇即位、それに伴う改元にあたって、天皇制賛美や天皇制強化に反対する。
 国民主権・人権尊重・平和主義の憲法に即した対応を求めるものである。


■選挙闘争に全力で取り組もう(4月5日号)

 これまで長年にわたって人権教育・啓発が取り組まれてきたにもかかわらず、ヘイトスピーチは横行し、インターネット上では数多くの差別書き込みが掲載されるなど、依然として差別が社会に蔓延している。
2020年の改憲をめざす安倍政権は沖縄県の県民投票で7割が「反対」に投票した辺野古の海の埋立ても強行するなど、人権を無視した政治をおこなっている。まさに暴走状態である。
今年は3年に一度、半数が改選される参議院議員の通常選挙と、4年に一度の統一地方選挙が重なる12年に一度の選挙年。今月には第19回統一地方選挙がおこなわれる。前半戦となる県会議員選挙と神戸市議会議員選挙が4月7日、後半戦の市町会議員選挙が4月21日投開票で実施される。また姫路市、明石市、芦屋市の首長選も同21日に投開票される。
市町会議員選挙がおこなわれるのは、神戸市の他、姫路市、明石市、芦屋市、西宮市、伊丹市、宝塚市、相生市、三木市、小野市、播磨町、太子町である。この選挙は、県内自治体で人権施策を推進していくために重要なとりくみとなる。
 ◇  ◇ ◇
2016年の部落差別解消推進法の成立以降、条例を制定する自治体や既存の条例を改正する自治体が少しずつ増えている。3月には福岡県と奈良県で条例が公布・施行されたが、依然多くの自治体が「国の指示、動向をふまえて」という消極的な姿勢である。
兵庫県内では、たつの市と加東市で条例が制定されたが、条例制定には部落解放運動からの積極的なアプローチが必要不可欠である。今年、法務省が「部落差別解消推進法」第6条に基づく実態調査を実施する。自治体に部落差別事象の照会がされるので各自治体、教育委員会に対し、しっかり回答するよう要請したい。
また、インターネットモニタリングに取り組む自治体も増え、一定の成果はでてきているものの、鳥取ループ・示現舎による悪質な部落差別は放置されたままである。ネット上の対策も含め、法律の具体化や活用にむけたとりくみ、さらには障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法とも課題を共有して、「人権救済」や「差別の禁止」規定を盛り込んだ法律の制定を引き続き求めていきたい。
さまざまな人権課題の解決を地域の中で実現していくために、地方自治体議員の役割はますます重要である。本人通知制度も「ひょうごヒューマンライツ議員の会」に結集する県会・市町会議員の協力が大きな力となり、県内すべての自治体で実施されるようになった。地方議会の役割をあらためて認識し、部落差別撤廃にむけた政策を実現させていかなければならない。
県連が推薦する人権派候補者の全員当選を勝ちとり、県内自治体での部落差別解消推進法を具体化する条例制定実現につなげよう。
この統一地方選挙は、7月の参院選にも大きく影響する。部落解放運動の前進のため、全力で選挙闘争に取り組もう!


■部落解放同盟兵庫県連第60回大会を成功させよう!(3月5日号)

 来る3月24日、部落解放同盟兵庫県連合会第60回大会を三田市総合文化センター「郷の音ホール」で開催する。
今年は兵庫県連が結成されて60周年の記念の年である。それに合わせ「60周年記念誌」を発行する。県連教宣部が中心となり、ひょうご部落解放・人権研究所の協力を得て、記念誌の編集に取り組んできた。
 大会では59期の活動報告と会計決算報告に次いで、60期の運動方針案と会計予算案を提案する。県連にとって一番大切なとりくみの一つである。全てのブロックから代議員を選出しよう。
 今年の県連大会で議論するポイントは次の点である。
1 部落差別解消推進法の周知と具体化、条例制定を実現すること。兵庫県内では法律の施行をうけて、たつの市と加東市で部落差別解消推進条例が制定され、施行されている。法律の施行以前に人権尊重・人権のまちづくり条例が三木市、篠山市、香美町、新温泉町で施行されており、有効な役割を果たしている。県内29市12町全ての自治体での条例の制定をかちとろう。
2 憲法改悪を許さないために参議院選挙で中央本部や県連が推薦決定している候補者の必勝を期する。また、統一地方選挙でも、地元・県連が推薦する候補の必勝をかちとろう。
3 県内被差別部落の少子・高齢化の現状を踏まえ、ブロック・支部の活性化にむけた新しい方策を検討する。従来のブロック活動助成金制度の見直しを行い、新たに人権のまちづくりを推進するための補助制度を創設する。このことについては2月16日に開催した県連委員会に提案し、承認された。
4 鳥取ループに代表される差別の確信犯に対する闘争を強化する。とりわけインターネット上での差別扇動・差別情報の氾濫に有効に対決する。
 東京地裁での「部落解放同盟関係人物一覧」に関する損害賠償訴訟に勝利する。中央本部は年内結審・判決をめざしている。兵庫県連からの原告24人を支え、鳥取ループを追い詰める闘争を強化しよう。
5 各ブロック・支部での活発な活動の情報を共有しよう。
 兵庫県は「日本の縮図」と言われており、被差別部落も同様に「日本の部落の縮図」と言われている。様々な状況下でしたたかに頑張っているとりくみの情報を共有しよう。そして、ブロック・支部・地域の活性化を図ろう。
6 青年・女性の組織化と世代交代の実現を図ろう。部落解放運動の要は青年と女性である。それぞれの得意な方法で、様々な課題を抱える青年、昨今の労働条件の悪化でより困難な状況に置かれている女性の組織化を図ろう。


■すべての人が希望の持てる解放教育を創ろう(2月5日号)

 子どもを取り巻く環境は厳しい状況にある。格差が拡大するなか、子育て困難な家庭が増えている。2016年に厚生労働省が発表した相対的貧困率(2015年)は15・6%。子どもの貧困率は13・9%で、7人に1人、約280万人の子どもたちが貧困状態で暮らしている。さらに、一人親家庭の貧困率は50・8%と非常に高く、「貧困の連鎖」が問題となっている。
 また経済的理由による進学の断念、中途退学、自死、いじめ、不登校、虐待被害など、どれもが大きな社会問題となっている。
 憲法改正の動きを強める安倍内閣は「強い日本を取り戻す」ためとして、「教育再生」を重点に掲げ、国家のための教育をめざしている。学校教育をめぐっては、「道徳」が教科化され、今年度から小学校で実施されている(中学校は次年度から)。これにともない、個人への思想信条や規範意識の押しつけなどが危惧されている。
 他方、部落差別をめぐっては、インターネット上の差別が深刻になっている。鳥取ループ・示現舎は、「部落探訪」と称して、「全国部落調査」を利用して被差別部落の様子をインターネット上に公開している。こうした悪質な差別情報への接触が子どもたちの部落問題との「出会い」となっている。
厳しい生活状態にある子どもに寄りそい、子どもの生きる力を育む解放教育・人権教育のさらなる充実と広がりが強く求められている。私たちは、これまで以上に学校・園、地域が一体となって「教育・子育て」について真剣に議論していかなければならない。そして、地域の実態や状況を的確にとらえたとりくみを通して、教育運動を構築していくことが重要である。
 また、障害者差別解消法、ヘイトスピーチ対策法、部落差別解消推進法が施行されて3年目となるが、これらの法律の具現化にむけ、教育に関する課題についても明らかにしていかなくてはならない。
 県連は今年も、ひょうご解放教育交流集会を「子どもたちのさまざまな現実に向き合い、すべての人が希望のもてる解放教育を創ろう!」をテーマに、2月24日、三木市立市民活動センターで開催する。
 全体会では、びわこ成蹊スポーツ大学客員教授の園田雅春さんによる「人権を基軸とした『道徳科』の授業づくり」と題した記念講演がある。「道徳」の授業に、いかに解放教育・人権教育の視点を入れていくのか、ともに考えていきたい。
 午後の分散会では、三木市、宍粟市、三田市、猪名川町、丹波市の小・中学校での「道徳」の授業のとりくみの報告を受ける。人権の視点を大切にした「道徳科」の授業とはどうあるべきかを話し合い、意見交換しながら、これからの解放教育・人権教育のあり方を考えていきたい。
 本集会に一人でも多くの参加を期待したい。


■2019年展望と課題(1月5日号)

安倍首相は昨年12月、臨時国会閉幕後の記者会見で、憲法を改悪し、2020年に施行をめざす考えを改めて表明しました。臨時国会では、独裁への道を開く緊急事態条項の創設や9条改悪を含む自民党改憲案4項目の提示が見送られましたが、予断を許さない状況にあります。
安倍第二次政権では、「集団的自衛権」行使を容認した憲法違反の安保法制=戦争法(2015年)、共謀罪創設(2017年)など、「戦争ができる国」へ法制度の改変が進められてきました。
 憲法改悪を絶対に許してはなりません。戦争は最大の差別であり、真っ先に犠牲になるのは女性や子どもたち、弱者です。
 また、「アベノミクス」で恩恵を受けたのはごく一部で、貧富の格差はますます広がっています。医療費負担の増大、年金改悪、生活保護費の削減など、社会保障制度の改悪も進み、生活は苦しくなる一方です。
こうしたなかで、すべての人の人権が尊重され、命とくらしが大事にされる社会をつくるために、たたかいを強化していかなければなりません。以下、県連としての今年の重点課題を明らかにします。
1 2016年12月に成立した部落差別解消推進法の周知と具体化を国や自治体に求めていきます。また第6条にある実態調査の実施を求めます。
県内では、たつの市、加東市で条例ができましたが、さらに多くの自治体での条例制定をめざします。また兵庫県や県内市町に基本計画の策定などおこなう審議会の設置を求めます。
2 インターネット上で部落差別が拡大するなか、対策をすすめるとともに、県内すべての自治体にインターネットモニタリングの実施を求めます。
 また、戸籍等の不正取得防止に抑止力をもつ登録型本人通知制度の徹底と登録者の拡大・内容の改善を求めていきます。
3 狭山再審の実現に向け、とりくみを強化します。
石川さんは今年80歳になります。今の第3次で再審をかちとるために、東京高裁後藤裁判長に事実調べと再審開始を決意させる要請行動等を強化しましよう。
4 財政基盤を確立し、組織の強化にとりくみます。財務検討委員会を設置し、県連財政や諸集会、活動などの見直しを図ります。
5 相談活動を強化します。安倍政権による福祉切り捨てにより生活が困窮化するなか、支部・ブロック・県連役員の相談スキルの向上を図り、地域での世話役活動を強化します。
 企業連との連携も強め、部落の事業者の事業の発展と雇用の確保に努めます。
6 共闘団体との連携を強化し、統一地方選挙や参議院選挙でも、生活と教育と平和を大切にする候補者の勝利をかちとりましよう。
議論を尽くさず次々に重要法案を強行採決し、生活の安寧と平和をおびやかす安倍政権の横暴をこれ以上許してはなりません。
7 部落解放運動の次世代への継承のため、県連の重要な組織である女性部と青年部の活動の活性化を図ります。そのための研修や活動を強化します。多くの団体との交流も図ります。