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2019年

■すべての人が希望の持てる解放教育を創ろう(2月5日号)

 子どもを取り巻く環境は厳しい状況にある。格差が拡大するなか、子育て困難な家庭が増えている。2016年に厚生労働省が発表した相対的貧困率(2015年)は15・6%。子どもの貧困率は13・9%で、7人に1人、約280万人の子どもたちが貧困状態で暮らしている。さらに、一人親家庭の貧困率は50・8%と非常に高く、「貧困の連鎖」が問題となっている。
 また経済的理由による進学の断念、中途退学、自死、いじめ、不登校、虐待被害など、どれもが大きな社会問題となっている。
 憲法改正の動きを強める安倍内閣は「強い日本を取り戻す」ためとして、「教育再生」を重点に掲げ、国家のための教育をめざしている。学校教育をめぐっては、「道徳」が教科化され、今年度から小学校で実施されている(中学校は次年度から)。これにともない、個人への思想信条や規範意識の押しつけなどが危惧されている。
 他方、部落差別をめぐっては、インターネット上の差別が深刻になっている。鳥取ループ・示現舎は、「部落探訪」と称して、「全国部落調査」を利用して被差別部落の様子をインターネット上に公開している。こうした悪質な差別情報への接触が子どもたちの部落問題との「出会い」となっている。
厳しい生活状態にある子どもに寄りそい、子どもの生きる力を育む解放教育・人権教育のさらなる充実と広がりが強く求められている。私たちは、これまで以上に学校・園、地域が一体となって「教育・子育て」について真剣に議論していかなければならない。そして、地域の実態や状況を的確にとらえたとりくみを通して、教育運動を構築していくことが重要である。
 また、障害者差別解消法、ヘイトスピーチ対策法、部落差別解消推進法が施行されて3年目となるが、これらの法律の具現化にむけ、教育に関する課題についても明らかにしていかなくてはならない。
 県連は今年も、ひょうご解放教育交流集会を「子どもたちのさまざまな現実に向き合い、すべての人が希望のもてる解放教育を創ろう!」をテーマに、2月24日、三木市立市民活動センターで開催する。
 全体会では、びわこ成蹊スポーツ大学客員教授の園田雅春さんによる「人権を基軸とした『道徳科』の授業づくり」と題した記念講演がある。「道徳」の授業に、いかに解放教育・人権教育の視点を入れていくのか、ともに考えていきたい。
 午後の分散会では、三木市、宍粟市、三田市、猪名川町、丹波市の小・中学校での「道徳」の授業のとりくみの報告を受ける。人権の視点を大切にした「道徳科」の授業とはどうあるべきかを話し合い、意見交換しながら、これからの解放教育・人権教育のあり方を考えていきたい。
 本集会に一人でも多くの参加を期待したい。


■2019年展望と課題(1月5日号)

安倍首相は昨年12月、臨時国会閉幕後の記者会見で、憲法を改悪し、2020年に施行をめざす考えを改めて表明しました。臨時国会では、独裁への道を開く緊急事態条項の創設や9条改悪を含む自民党改憲案4項目の提示が見送られましたが、予断を許さない状況にあります。
安倍第二次政権では、「集団的自衛権」行使を容認した憲法違反の安保法制=戦争法(2015年)、共謀罪創設(2017年)など、「戦争ができる国」へ法制度の改変が進められてきました。
 憲法改悪を絶対に許してはなりません。戦争は最大の差別であり、真っ先に犠牲になるのは女性や子どもたち、弱者です。
 また、「アベノミクス」で恩恵を受けたのはごく一部で、貧富の格差はますます広がっています。医療費負担の増大、年金改悪、生活保護費の削減など、社会保障制度の改悪も進み、生活は苦しくなる一方です。
こうしたなかで、すべての人の人権が尊重され、命とくらしが大事にされる社会をつくるために、たたかいを強化していかなければなりません。以下、県連としての今年の重点課題を明らかにします。
1 2016年12月に成立した部落差別解消推進法の周知と具体化を国や自治体に求めていきます。また第6条にある実態調査の実施を求めます。
県内では、たつの市、加東市で条例ができましたが、さらに多くの自治体での条例制定をめざします。また兵庫県や県内市町に基本計画の策定などおこなう審議会の設置を求めます。
2 インターネット上で部落差別が拡大するなか、対策をすすめるとともに、県内すべての自治体にインターネットモニタリングの実施を求めます。
 また、戸籍等の不正取得防止に抑止力をもつ登録型本人通知制度の徹底と登録者の拡大・内容の改善を求めていきます。
3 狭山再審の実現に向け、とりくみを強化します。
石川さんは今年80歳になります。今の第3次で再審をかちとるために、東京高裁後藤裁判長に事実調べと再審開始を決意させる要請行動等を強化しましよう。
4 財政基盤を確立し、組織の強化にとりくみます。財務検討委員会を設置し、県連財政や諸集会、活動などの見直しを図ります。
5 相談活動を強化します。安倍政権による福祉切り捨てにより生活が困窮化するなか、支部・ブロック・県連役員の相談スキルの向上を図り、地域での世話役活動を強化します。
 企業連との連携も強め、部落の事業者の事業の発展と雇用の確保に努めます。
6 共闘団体との連携を強化し、統一地方選挙や参議院選挙でも、生活と教育と平和を大切にする候補者の勝利をかちとりましよう。
議論を尽くさず次々に重要法案を強行採決し、生活の安寧と平和をおびやかす安倍政権の横暴をこれ以上許してはなりません。
7 部落解放運動の次世代への継承のため、県連の重要な組織である女性部と青年部の活動の活性化を図ります。そのための研修や活動を強化します。多くの団体との交流も図ります。